カメラやレンズと言ったら当然「日本製品」が圧倒的なシェアを占めているわけですが、ここ数年の中国、韓国メーカーのレンズの品質向上が目覚ましく、使える個性的なレンズが増えているようです。
お値段以上の性能で圧倒的なコストパフォーマンスのレンズと、日本製品に負けない?クオリティと値段のレンズと両極端に別れているみたいで、日本に追いつけ追い越せでどんどん進化し続けている模様。
目次
Venus OpticsのLAOWA(ラオワ)
LAOWAと書いてラオワと読むそう。
Venus Opticsは中国のメーカーで、LAOWAはこのVenus Opticsが展開するレンズのブランド名。
日本国内ではレンズフィルターで有名なケンコーが正規代理店だったようですが、現在はポータブル赤道儀のナノトラッカーで有名な「株式会社サイトロンジャパン」が正規代理店になっているようですね。
LAOWAのレンズラインナップ
- 60mm F2.8 MACRO(APS-C専用で約54,000円)
- 15mm F4 WIDE MACRO(フルサイズ対応で約73,000円)
- 105mm F2 ‘The Bokeh Dreamer’(APS-C専用で約94,000円)
- 12mm Zero-D(Distortion)近日発売予定との事
2013年に設立された新興企業だからか、2017年1月現在で3本だけしか発売されておらず、1本が今年中に発売される予定で、レンズラインナップとしてはまだ合計4本だけ。
それぞれのレンズは、キヤノンEF、ニコンF、ソニーA・E、ペンタックスKと様々なマウントに対応しているものの、富士やマイクロフォーサーズ用は無いみたい。
このうち個人的に気になったのは以下の2本のマクロレンズ。
LAOWA 60mm F2.8 MACRO
LAOWAで最も手頃な価格のマクロレンズでMFのみ。
「撮影倍率を0.1から2倍の範囲で変更できる」のが売りで、絞り羽根が14枚と多いから綺麗な丸ボケが出そう(実際使ってないので私は分かりませんが)なのも魅力的。
大きさは95×70mmで重量は503gとちょっと大きくて重め。フィルター径もマクロレンズとしては割と大きめで62mm。
私が使っているα6500はMFが容易で、なおかつボディ内手ぶれ補正も内臓していますから、MFレンズでも使いやすくて楽しめそう。
ただ、撮影倍率を0.1から2倍に変更する際に中のレンズ自体が上下して動く仕組みなのが個人的にはちょっと嫌かも…。
あと動画内で糸巻き型の歪曲収差が出るのを説明していますが、
LightroomのCamera RawでLAOWAのレンズもサポートされいるからプロファイル補正で自動補正してくれるはず。
同じく600mmマクロの海外の解説動画。こちらの動画のアプ主のThomas Shahanさんは、昆虫のマクロ撮影では有名な方みたいです。動画内の作例も凄い!の一言。
このレンズの描写力はかなり素晴らしいようですが、だからと言ってこのレンズを使えばThomas Shahanさんのような写真が撮れると言う事ではないのが悲しいところ。
残念なのは価格で、「中国製」「APS-C専用」「MFのみ」で約54,000円はお手頃感が全くありません。
実際アメリカのAmazonだとAdorama Cameraが380ドルくらいで販売していています。日本は代理店の取り分が入ってしまうからその分上乗せされているのかも。海外同様に4万円くらいなら日本でもそこそこ売れそうな気がするし、私も使ってみたいのですが…。
LAOWA 15mm F4 WIDE MACRO
こちらも60mmマクロ同様にChristopher Frostさんと、
Thomas Shahanさんが詳細な動画レビューをYouTubeにアップしてくれています。
こっちはフルサイズ対応で、同様に絞り羽根が14枚と多いですね。
83.8×64.7mmで重量は410gとフルサイズ対応ながら60mmマクロよりも小さく軽く、フィルター径は77mmとマクロレンズにしてはかなり大きい。
フィルター径が大きいとレンズフィルターが高くなるのがなぁ…。
ちなみに、こちらの売りは超広角のマクロレンズで等倍マクロ撮影が可能ってところ。また、4.7mmまで寄れちゃいます。
残念なのはやはり価格で、日本だと7万3000円くらい。アメリカで買えば60mm同様に遥かに安く500ドルくらいで売られているから、やはり代理店の取り分が上乗せされちゃってる印象。
ソニーE純正のマクロレンズ
私はソニーEマウントカメラだとα7Sとα6500の2台を所有しているので、LAOWAのレンズを買っても2台で使い回せるから勿体無いことはないんだけど、
- 激安の2万円程度で買えるSEL30M35
- フルサイズ対応でキレキレの描写と評判のSEL90M28G
- フルサイズ対応で5万円を切るSEL50M28
と残念ながらAFが使える純正でかなり良さげなマクロレンズが割と揃っているので、LAOWAのレンズに興味が湧いても実際買うとなると純正を買っちゃうかなって感じ。
余談になりますが、私はマクロレンズはこのCanonのEF-S60mm F2.8 マクロ USMの1本だけ持っていて、今でも60Dに付けっ放しで楽しんでいます。
このレンズはAPS-C専用ですけど、本当に素晴らしいし4万円くらいで買えるからおすすめ。個人的に「神レンズ」じゃないかと。
LAOWAもう少し安いと
その他「ボケドリーマー」なんて素敵な名前が付いている105mm F2はMFで日本では10万するけど、やっぱりアメリカでは700ドルくらいで売られています。
これから出る12mm Zero-Dは歪みがとても少ない超広角レンズらしいですけど、こっちも10万円くらいしますから、ちょっとなって感じ。だったらフォクトレンダーのULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 Aspherical IIIを買っちゃいますよね日本人なら。
ただ、個性的で面白いレンズを作っているようなので、個人的には要注目しておきたいメーカーだと思いました。できればせめてアメリカの販売価格くらい売ってくれればなぁ…。