




ニコンのZfc + NIKKOR Z 28mm f/2.8 Special Editionをレンタルで使ってみました。
多くのカメラユーザーはZfcのグリップレス仕様がまず最初に気になるのかも知れませんが、これに関しては確かに握りづらいものの、重いレンズを装着しなければ慣れるとそれほど気になることはなくなると思います。
個人的には富士フイルムのX-E4を使った際もそんな感じだったし、今現在も所有し続けているオリンパスのOM-D E-M5 Mark IIも問題なく使えています。
OM-D E-M5 Mark IIは微妙に突起したグリップはついていますけど。
そんなことよりも、個人的には理解不能な謎仕様があったので、こっちのほうが気になってしまいました。
目次
ZfcのISO感度ダイヤル仕様が酷すぎる件
ZfcのISO感度ダイヤルはロックボタンを押す必要あり

Zfcは見ての通りISO感度をマニュアル変更可能な「ISO感度ダイヤル」が左端に備わっています。
ただし、このダイヤルは中央のロックボタンを押しながら回さないとダイヤルが回らない仕様なので、マニュアルでISO感度の設定を変更する場合は、ロックボタンを押しながらダイヤルを回してISO感度を変更する形になります。
当然左手の親指だけでクリクリと回してISO感度設定を変更することは出来ず、

中央のロックボタンを人差し指で押しつつ、親指と中指で挟んで回すという面倒くさい作業が必要となりました。
不用意にダイヤルが動かないようにとの配慮なのかも知れませんが、何故ボタンを押したらロック、再度押したらロック解除というような「ダイヤルロック解除ボタン」式に出来なかったのか意味不明でした。
このダイヤルの下には「M・A・S・P・AUATO」の撮影モードを切り替えられるレバーがあるので、これに指が干渉しないように上からつまんで回す形にしたかったのかな?単なる推測に過ぎませんけど。
私は暗くなりやすい室内での飼い猫撮影メインでカメラを使用しているので、ISO感度の数値には非常に気を配ります。
私の場合は室内での猫撮影の場合は、ISO感度はマニュアルで数値をいじって下げられる限界の数値を探りつつ撮影することが多いので、このダイヤルの仕様はかなりストレスを感じてしまいました。
なお、私はAモード(絞り優先オート)一択、バリアングル液晶は動画撮影時以外はほぼ閉じた状態での運用でした。
ZfcのISO感度ダイヤルにはオートが無い

「じゃあ、ISOオートにダイヤル設定しちゃおうか」と思ったのですが、何とZfcのISO感度ダイヤルにはオート(A)がありません。


例えば富士フイルムのX-T4とかならISO感度ダイヤルのAがISOオートなので、ダイヤルをAの位置に合わせればカメラがISO感度を自動設定してくれるわけですが、Zfcの物理ダイヤルにはそれがありません。
物理ダイヤルにオートが無いから、ISO感度をオートにするか、ダイヤルを回してのマニュアル操作にするかは、メニューを開いて「ISO感度設定」という項目から「感度自動制御」をオン・オフする必要があります。
ちなみに、X-T4はISOオート(A)もそうだけど、ロックボタンはオンオフ可能な「ダイヤルロック解除ボタン」式でどちらもクリアしています。
っていうか、ユーザーの使いやすさを第一に考えたらこれが普通だと思うんだけど・・・。
ZfcはISO感度設定をカスタムボタンに割り振れない
ISO感度をオート、マニュアルのどちらか選択するのにいちいちメニューを開いて設定し直すのは面倒くさいので、カメラ前面にあるFnボタンにでも割り当てるかと思いましたが、何とZfcはFnボタン(カスタムボタン)に「ISO感度設定」を割り当てることが出来ません。
さすがに「嘘でしょ?」と思って色々調べてみましたが、どうも本当に出来ないようです。
ZfcはISO感度設定をiメニューに割り振れない

じゃあ仕方がないからiボタンを押すと表示されるiメニューにISO感度設定を登録しようかと思ったのですが、何とこれも出来ませんでした。
Z6やZ7同様にiメニューの項目は並び替えや、機能を自分好みに入れ替えることは可能なんだけど、そもそも「ISO感度自動制御」の項目がありませんでした。
もうここまで来ると私の頭では理解不能だったので、何か設定があるのか、私が間違えているのかニコンに聞いてみようかとカスタマーサポートに電話して問い合わせしようと思ったのですが、Zfcをレンタルしていた時期がちょうどGW中にぶつかってしまったこともあったからか、電話は何度かけても話し中で繋がらず確認することが出来ませんでした。
なお、ISO感度ボタンが物理ボタンとしてカメラに備わっているZ6やZ7等の場合は、ISO感度ボタンを押しつつサブコマンドダイヤルを回すだけで簡単にISO感度のオート、マニュアルが変更可能です。
まとめ
正直この謎仕様だけで私はZfcを買ってまで欲しいとは思いませんでした。
せめてISO感度ダイヤルにAをつけるか、ダイヤルは回しやすい形にして欲しかったですね。
単に富士フイルムのようにISO感度ダイヤルにISOオート(A)をつけて、ボタンはオンオフでロックがかかる形にすれば良かっただけでしょと思うのは私だけ?
それが出来なかったのなら、最低限ISOオートのオンオフ機能はFnボタンやiメニューに割り当てられるしておくべきだったんじゃないかと。
割り当てすら出来ないこの謎仕様は誰得なんですかね?
Zfcの制作チームがどういう意図でこの仕様にすることにしたのかマジで聞いてみたい。
ちなみに、ISO感度を自動制御(オート)した際に、ISO感度が高くなりすぎないようにISO感度の値の上限を設定することが出来る[制御上限感度]や、撮影モードPまたはAのときの感度自動制御が働き始めるシャッタースピード(1/4000~30 秒)を設定できるという[低速限界設定]という設定項目はあります。
また、私がレンタルしていたのは7日間のみだったので、もしかしたら設定できるのかも知れないし、使い慣れれば不満を感じないレベルになったのかも知れません。
プロカメラマンの塙真一氏も同じ指摘を
さすがに私が間違っているのかと思って後日アレコレ調べてみたところ、プロカメラマンの塙真一氏がYouTubeで同じことを語っていました。
プロも指摘しているんだから、やはりこの意味不明な仕様は間違いないようです。
同様に富士フイルムと同じ仕様にしておきゃ良かったじゃんとも語っていました。
っていうか、iメニューに登録できるようにするくらいならファームアップで簡単にできると思いますけど、それをやらないってことはこの仕様は制作側としてはちゃんと意味がある仕様なのかも。
もちろん、あくまでも私としては意味不明で使いづらかったというだけの話ですので、異論反論大いに結構です。
ISO感度設定を動画撮影ボタンに割り当てる裏技
裏技というか便利な方法というか「老人と文学社」の武川氏が自身のYouTube動画で紹介していた方法で、
- MENU→マイメニュー→マイメニュー登録→ISO感度設定
- カスタムボタンの機能(撮影)→動画録画ボタン→マイメニューのトップ項目へジャンプ
これで「動画撮影ボタン」を押すと「ISO感度設定」が一発で表示されるとのこと。
今現在私の手元に実機がないため、このボタンに割り当ててしまった場合、動画撮影モードに切り替えた際は自動で「動画撮影ボタン」の機能に戻るのか分かりませんが、とりあえずこういう方法があるとのことです。
え?ISO感度自動制御すればいいのでは?
その自動制御が物理ボタンにもiメニューにも割り当てられない点が意味不明でした。
ISOの値をダイヤルでマニュアル操作のみだったり、
オートのみで使いたい人は特に気にならないのかもです。
Zfcはフィルム時代のNikon FM2をオマージュして誕生した事からデザインだけで無く、使い方もフィルム時代のカメラなのかも、、、
入れたフィルムのISO感度に合わせてシャッタースピード、絞りを決める!
頻繁にISO感度を変えやすい撮影方法ではなく、フィルム(ISO)固定そんな撮影の仕方まで楽しむのがZfc!
私はフィルムカメラを使った経験が一度もないので、
フィルムカメラの経験がある方とはまた感想や印象が異なるのかも知れません。
Zfcのデザインは確かにクラシカルですが、中身はバリバリ最新式なので、
個人的には最低でも割り当て可能なら良かっただろうなとの感想です。
ISOのAポジションがあれば分かりやすいというのは同意ですが、ロック機構は別に今のままでも良いのではと思いますね。
もし速写性が必要なのであればZ50というプロダクツがあります。
車のマニュアル車に乗ってシフトチェンジにクラッチを踏むなんて意味不明と言っているのと同じ感想ですよね。(何故オートマ車じゃないのか…)
個人的にはZfcはZ50よりもAF性能が更に進化していて、
バリアングルで動画撮影も容易になっていることもあり、
クラシカルなのは見た目だけで極めて現代的な最新式のデジカメの印象を持っています。
特にニコンZの場合はISOオートのオンオフはISOボタンを押して
サブダイヤルで回すだけで切り替え可能という非常に優れた仕様なので、
なおさら工夫が出来なかったのかなというのが素直な感想です。
私はISOのロックがあるのは、当たり前というか、有り難い思います。オートがないのも当たり前。そういうコンセプトのカメラでしょ?
フィルム時代のカメラを使う人ならわかると思います。それを、zfcが気の利かない設計であるというのは、あまりにも無知、若しくは今どきのデジタルカメラしか知らないのでしょう。
お勉強不足ですね。
私はフィルムカメラとか全く興味がないので使ったことも知識もありませんが、
このカメラのコンセプトって外観はクラシカルだけど中身は最新式で気軽に使えるって感じでは?
バリアングルで自撮りもできて、動画撮影時の人、動物の瞳AFまで出来ますし。
おまけにピンクに張替えでカメラ初心者の若い女性にも使って欲しいとアピールしてるわけで。
ならISO感度設定も普通に使いやすい形(富士と一緒)で良かったのでは
というのが私の考え方です。
まぁせめて割り当てくらい出来ても誰も困らないと思いますが?
管理人さんの意見はごもっともだと思います。Dfと同じ仕様でいこうというUIデザイナーの判断だと思いますが、Zfcの高機能っぷりを見ればDfと異なる性質のカメラであることは明らかです。Z50と中身はほぼ同じですもんね。
にもかかわらずこの硬派な仕様。ニコンっぽいといえばそうかもしれませんが、同じクラシカルデザインの富士フイルムさんと比較されたらマイナスポイントにしかなりません。
フィルムカメラではフィルム一本ごとにしかISOを設定しませんが、デジカメはそうではありません。ファームアップで改善して欲しいですね。
iメニューにも登録できず、ファームウェアのアップデートでも変更しないのだから、
ニコンとしてはこれで間違いないという信念があっての仕様なんでしょうね。
ただ追記したのですが、動画録画ボタンにISO感度設定を割り当てることで
動画録画ボタンを押すと一発でISO感度設定のメニュー画面が出せるようになるそうです。
不便さを感じている人がいるなら、とりあえずこの方法が良さそうですね。
動画ボタンを感度設定に使うのはレフ機のD800やD750の時からできます。
D850やD780になると新たに感度設定ボタンが独立してシャッターボタンまわりに設置されました。
動画ボタンを感度設定にカスタマイズしているユーザーが多いとニコンが製品に反映したのでしょう。
Zfcでもそれができるから大丈夫と踏んだのでしょう。
フィルムカメラや旧いレフ機を使ったことが無いライトユーザーなら取説をちゃんと読んでくれるという前提かもしれません。
ちなみにロックボタンの仕様やAポジションが無いのは、富士の真似がしたくなかった、あるいは特許などで真似が不可能だった可能性も考えてあげても良いと思いますよ。
ニコンの一眼レフは一度も使ったことがないので分かりませんでしたが、
動画撮影ボタンに割り当てる方法はニコンユーザーなら
ポピュラーな方法なんですね。情報有難うございます。
ロック解除ボタンはOM-D E-M5 Mark IIのモードダイヤルにもついていますが、
そもそもISO感度ダイヤルが備わっている国内メーカーのデジカメは富士フイルムだけ?
だから、仰る通りで特許の可能性は否定できないのかもですね。