フィギュアの写真は「ブツ撮り」に分類されますので、フィギュアとカメラ(スマホでも)さえあれば誰でも自室で直ぐに簡単に撮影して楽しむことが可能なのですが、普通にテーブルの上にフィギュアを置いただけで撮影してしまうと、面白くもなんともないド土素人丸出しの写真に仕上がってしまいます。
かと言って、
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— コトブキヤ日本橋 (@kotobukiya_npb) March 15, 2019
このようなデコマス写真みたいな
いかにも「プロが撮影しました」的な写真を撮るためには、撮影の準備段階で背景用の専用のパックペーパーだったり、ちゃんとした照明器具が必要となってしまうため、お金や撮影に手間暇がかかって大変。
そんなわけで、今回は一家に一台必ず所有している「ある物」を背景に利用して、手軽で安価、尚且つ短時間でプロ並みクオリティでフィギュアを撮影する方法をお教えしたいと思います。
この方法ならバックペーパー(背景紙)等の特別な道具が不要な上に、片付けも楽々で短時間に撮影を済ませることが可能です。
目次
今回のフィギュア撮影に準備する物
まず最初に準備する物はこれら
- カメラ(レンズ交換式ならレンズも)
- PCモニター(テレビでも代用可)
- フリー素材
- 三脚(無ければ不要)
- LED照明(無ければストロボ)
- あればリモコン
モニターとフリー素材の2点は今回の撮影方法の「肝」なので、説明は後述します。
カメラはぶっちゃけ最近の綺麗に撮影できるスマホならそれでも良いですし、コンデジでも構いません。
今回2体のフィギュアを撮影しましたが、
使ったカメラはキヤノンの古い60Dに60mmマクロレンズと、ソニーのコンデジの初代RX100を使って撮影しています。
三脚とLED照明は無ければ不要とは書いていますが、カメラを使ってまともなブツ撮りをしたいと考えているなら、少なくても両方買って持っておくことをオススメします。
三脚のオススメはやはりコスパに優れるマンフロットの三脚がオススメで、
「1本だけ」で考えるならこの間リニューアルしたこの「befreeアドバンス」がベスト。
どデカイレンズを装着しないのであればまずこれだけで事足ります。
LED照明の方はYoungnuoやNEEWER等の安い物でもあればOK。
Youngnuoの方は私は1万くらいで買いましたが、白色のみの600球なので非常に明るく、使用頻度は低いものの、3年使っていても未だ故障知らずで非常にオススメ。
このLED照明はYouTuberもよく使っていて動画で紹介していたりしますね。
動画をよく撮影される方はちょっと明るさは控えめになりますけど、高温時にファンが回らず更に安価な「YN600 Air」の方もオススメです。
なお、ライティングに関してはLED照明よりもストロボの方が撮影しやすい方はもちろんストロボでもOKです。
ただし、LED照明当てて撮影しちゃった方が撮影前に仕上がり具合が一発で分かって簡単ですから、初心者には照明の方をオススメします。
フィギュアの撮影方法
今回の撮影から仕上げまでの流れは以下です。
- フリー素材を利用し、PCモニターを背景とする
- モニターの手前にフィギュアを設置
- LEDライト1灯を使ってライティング
- 撮影(あればリモコンで)
- Lightroom等を使って現像(しなくても可)
順を追って説明します。
フリー素材を利用し、PCモニターを背景とする
この撮影方法の肝がこの「フィギュア写真の背景にフリー素材」を使うってところ。
フィギュアの背景にフリーで使える上手な写真を利用することで、見栄えの良い写真に仕上げることが可能となります。
背景の写真は必ずそのフィギュアのイメージにあった写真を探しましょう。
例えば今回私が撮影したフィギュアの写真は「デュラララ」というアニメ作品のキャラクターたちで、舞台が池袋と新宿でしたので、新宿(池袋は見つけられず)が写ったフリー素材を使用しています。
フリー素材(写真)を探すのは上記2サイトがオススメ。
どちらも置いてある写真は商用、非商用を問わず、コピー、改変、再配布することまで可能ですので、自由に利用することが出来ます。
「ぱくたそ」の方は会員登録をしてアカウントを作成する必要もありませんので、気軽に利用できる反面、日本人が日本人向けに運営しているサイトなので、写真の総枚数が少なく、イメージ通りの写真が見つからないことも。
「Pixabay」の方は世界規模なので遥かに多い写真があって写真のクオリティも高いものが多く見つかりますが、高解像度の写真をダウンロードする際に会員登録が必要になるのがちょっと面倒。
いずれにしても撮影したい被写体の世界観にあったクオリティの高いイメージを探すことが仕上がりのクオリティを上げるコツになりますから、妥協せずに良い写真を探しましょう。
もちろんフリー素材じゃなく自分で撮影してきた写真を使っても当然OKですが、腕に覚えがある人以外は素直に上手な人が撮った写真を利用させてもらった方が無難。
今回私は「ぱくたそ」にあった「カズキヒロ」さんという方が撮影した非常にクオリティの高い新宿の写真をお借りして利用させてもらっています。
これをPCモニター(私の場合は27インチの5K iMac)に映して背景とします。
なお、スクリーンセーバーは撮影中に起動しないようにオフにしておきましょう。
ちなみにノートパソコンしかない場合はこのような方法でテレビに接続してノートPCの画面をテレビに映せばOKなのですが、テレビが大きすぎたり、逆に小さすぎたりすると背景として利用するのは難しいのかも。
スマホしか持ってない場合は、このような方法でミラーリングを利用したり、有線で接続してスマホに保存したフリー素材の写真をテレビに映します。
モニターの手前にフィギュアを設置
上の写真のようにPCモニターにフリー素材の写真を表示させた状態で、モニターの手前にフィギュアを設置します。
使用するカメラのセンサーサイズやレンズによって背景のボケ具合が変わってしまうので、フィギュアをモニターの近くに置いたり、離して置いてみたりして、仕上がり状態をチェックしながらトライ&エラーで自分の気に入った背景のボケ具合に調整します。
背景はあまりハッキリ写ってしまうと被写体のフィギュアに目が行きにくくなる(邪魔をする)ため適度にボカしつつも何が写っているか分かるくらいがベストかもです。
LEDライト1灯を使ってライティング
室内の照明環境にもよるのですが、普通はフィギュアをPCモニターの手前に設置しただけだと、背景に比べてフィギュアが暗く写ってしまうため、LEDライトを1灯だけ準備してフィギュアに当てます。
当て方は見栄えが良くなる感じで各自調整して下さい。
私は今回フィギュアの斜め上から当ててみました。
ライティングすることでシャドウとハイライトが入り、被写体のフィギュアの立体感が出るため、モニターに映しただけの平面の写真とより馴染みやすくなる効果もあると思います。
ライティングに関しては、作品撮りするなら時間をかけて更にシッカリやる必要があるのでしょうが、普通にSNSとかにアップするくらいでしたら、適当にフィギュアを照らしてみて、見た目的にある程度良い感じに見えればそれでOK。
モニターに照明の光源が写り込まないように注意しましょう。
リモコンでタイマー撮影をする
リモコンが無ければタイマー2秒とかで撮影します。
三脚が無い場合はISO感度を上げて、手ブレしないようなシャッタースピードで。
Lightroom等の現像ソフトで仕上げ
別にこの作業は飛ばしても構いません。
撮影した段階で十分綺麗に仕上がっていると思いますし。
私は色味の調整と、背景のギラツキ(彩度)を抑えて、ちょっと背景ボケを増してみていますけど、並べてみるといじらない方がかえって良かったかもですね(苦笑)
ちなみにこの写真がRX100で撮影した写真です。
で、こっちが60Dで撮影した写真。
こっちは仕上げの段階で少しマゼンダ色を強めにして、ハイライトとシャドウをいじってみています。
ちなみにポートレートの写真だと、このようなモデルの頭に刺さったような写真は「串刺し構図」とか言ってご法度なんだとか。
と、こんな感じでフリー素材を背景として撮影してしまえば、見栄えが良い写真が短時間で簡単に撮影することが可能です。
この撮影方法なら、1,000円くらいで購入したウォーリーのフィギュアだってこんな感じにそれっぽく仕上げることが出来ちゃいます。
私の場合はフィギュアはそれなりに撮影する機会があって慣れているので、フリー素材を探す準備段階から画像にして仕上げるまで約10分程度で終了する形。
まとめ
それなりに綺麗にフィギュアを撮影する際の背景には、通常はバックペーパーと呼ばれる専用の背景紙を使用したり、バックペーパーの代わりに布を用意したりする必要があるためお金が掛かりますし、撮影する際の準備や、撮影後の片付け、バックペーパーや布の保管も面倒くさい。
特にバックペーパーはシワになったら終わりですし、布なら布でシワになってしまった場合はまずはアイロンがけから必要になってしまいます。
ですが、このフリー素材をPCモニターに映して背景とする方法なら、PCモニターの手前にフィギュアを設置するだけで何の手間もかからず撮影できてしまうので超オススメです。
ただし、
- 全体写真(土台まで)が撮影できない
- 奥行き感が出難い
やっぱりこんな感じの欠点もあります。
土台まで撮影できない理由はこの方法で1回でも撮影してみればよく理解できると思います。
全体写真を撮影したい場合は、やっぱり土台までちゃんと届くような大きめのバックペーパーとかが必要になってきます。
奥行き感に関してはやっぱり平面のモニターをバックに使っている簡易的な撮影方法ですから仕方がありません。
実際本当に凄いフィギュアの写真を撮影しているプロたちは、
こんな感じで自分で撮影セットを組んだり、わざわざ野外にフィギュアを持ち出して撮影してきたり、LightoroomやPhotoshopを利用して現像に時間をかけたりしているわけですから。
それでもこの方法で撮影すれば見栄えの良いフィギュアの写真が簡単に撮影できますので、是非トライしてみて下さい。