DPReviewといえばChris NiccollsとJordan Drakeが登場するYouTubeチャンネルがスッカリお馴染みになりましたが、ウェブサイトの方も非常に充実しています。
中でも様々なメーカーのカメラの画質を並べて比較できる「Studio scene comparison tool」が価格コム等でも度々リンクが貼られて有名。
目次
DPReviewの画質比較ツール
使い方は非常に簡単で、比較したいカメラをプルダウンメニューから選択するだけ。あとは
- JPEGで撮影された写真か、RAWで撮影された写真か
- ISO感度
これらもプルダウンメニューから選択します。
例えば私は各社の高画素機を調べてみたかったので、
キヤノン:EOS R5
ニコン:Z7
パナソニック:S1R
ソニー:α7RⅣ
を並べて比較してみています。
私はRAWでしか撮影しないので、RAWを選択し、とりあえず最低ISO感度のISO100で並べて比較してみました。
比較したい写真の場所は、左側に表示されている顔とか様々なオブジェクトが写っている写真の見たい部分をクリックしてやればその部分を並べて表示してくれる形。
もし高感度画質の比較をしたければISO感度を変更すれば表示してくれます。
このように凄く便利なツールなのですが・・・。
DPReviewの画質比較ツールのレンズは?
ただしこのツールには致命的な欠点があって、カメラ同士は簡単に並べて比較できても、実は肝心の装着するレンズを選ぶことができません。
例えば今回私がチェックしてみたカメラ同士の比較だと、
- EOS R5:RF50mm F1.2 L USM
- Z7:NIKKOR 85mm f/1.8G
- S1R:APO-Summicron 90mm/f2.0
- α7RⅣ:FE 85mm F1.4 GM
こんな感じで、F値に関しては各社F5.6で固定で統一して撮影はされているものの、焦点距離からレンズ性能までピンキリのレンズを装着した状態での画質比較となってしまいます。
例えばキヤノンのRF50mm F1.2 L USMはまさに発売されたばかりのキヤノンの最新工学を駆使して作られた最高レベルのレンズで、値段だって30万円近くします。
それと比べてニコンの方は何故かZマウントレンズで撮影はしておらず、FTZアダプター使用で55,000円くらいで買えるFマウントレンズを装着しています。
この組み合わせで画質を比較しろと言われてもニコンが不利になるのは当たり前の話。
実際Z7の方はRAWだと画質云々以前にパープルフリンジが出ちゃってるのが確認できますし。
そりゃ10年も前のレンズなんだから仕方がない。
後発のZ7Ⅱでは「NIKKOR Z 85mm f/1.8 S」が使われています
ちなみにパナソニックのS1Rが装着している「APO-Summicron 90mm/f2.0」というのは、これまたLマウントレンズではなく、ライカのレンズでヨドバシ調べで704,000円もするレンズでした。
これらを並べて「画質比較に利用して下さい」と言われたところで、さすがに何でここまで条件の全く異なるレンズで撮影してるの?としか言いようがない。
ちなみに装着レンズは右下に表示される「iマーク」の上にカーソルを置くと表示されます。
一応の目安としては使えるが
そんなわけで、価格コムなんかを見てると度々目にするこのツールですが、あまりにもかけ離れた性能や価格のレンズを装着して比較しているため、一応の目安程度でしか使い物にならないことは覚えておいた方が良さげ。
特に周辺の画質に関しては最新工学のレンズとちょっと古いレンズ、焦点距離も50mmと90mmとじゃ差が出て当然だし。
とはいえ、これだけ価格の異なるレンズを何で装着してこのツールの写真を撮影してるんですかね?何かしらの意図があるのかな?
Z7なんかアダプター使用って開いた口が塞がらないんだけど・・・。
ちなみにZ6の方はちゃんとZレンズの50mmを使用していました。
ちなみに、私が愛用しているソニーのα7RIIIには
この安い85mm F1.8のレンズが使われていました。