一度使ってみたかったタムロンの「通称タムキュー」SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD(Model F017)を入手したので、ついでに購入したシグマのマウントアダプター(マウントコンバーター)MC-11を使って、3台所有しているソニーEマウント機でAF周りの動作テストをしてみました。
目次
タムキューとMC-11について
タムキュー(最新型)、MC-11共にCanon用で、数日前に私が新品購入した物なので、一切の動作不良がない完動品となります。
MC-11のファームウェアは最新バージョン、レンズも買ったばかりだから最新。
ちなみにModel F017は最新型と言っても発売日は2016年の2月に発売されたレンズだから、それほど新しいってわけでもないみたいですね。
タムキューには新旧の3種類あるようで、古いやつだと安けりゃ中古で15,000円くらいで入手できるようですが、
最新型でもヤフーショッピングのポイント還元分を含めて新品が丁度4万円くらいで買えてしまう(コジマで通常ポイント8倍)ので、あえて旧型を選ぶ必要性は無いのかなと。
MC-11に関しては先日K&F Conceptのマウントアダプターを購入したばかりですが、今後シグマの100-400mmとか入手する予定を立てているため、タムキューを買った際にもらえた通常ポイント4,152ポイントを消費して買っちゃいました。
こっちも購入日を考えてしっかりポイント還元してもらえば、ほぼ2万円で買えますから、あえて中古で買う必要はありません。
使用するソニー機3台
- α6500(APS-C)
- α7S(フルサイズ)
- α7R III(フルサイズ)
私が所有しているこの3台で、カメラも全て新品で私が購入した物。
ただし、いずれのカメラも動作自体は全く問題ありませんが、3台共に発売日に購入していますので、購入したばかりのタムキューやMC-11と比べてそれなりの劣化はあります。
カメラのファームウェアも全て最新の状態です。と言うわけで早速テストを。
あ、最初にお断りしておきますが、このMC-11はあくまでもシグマのキヤノン用レンズをソニーEに装着して使うためのマウントアダプターです。
キヤノンのEFレンズは勿論、ライバル企業のタムロンのレンズなんか論外で動作保証なんてシグマはしていません。
万一カメラ、レンズ、マウントアダプターいずれかに不具合が生じてもシグマは補償に応じてくれませんから完全に自己責任となります。
大事なことなんで、最初に書いておきました。
MC-11 × 最新タムキュー × Eマウントカメラ
α7Sの場合
このα7Sはフルサイズミラーレス機で、発売日は2014年6月20日だから、発売されてもう4年半も前のカメラになります。
ソニーの最初のフルサイズミラーレス機「α7」の派生機です。
当然最新のEマウントカメラと比較するとAFの性能は平々凡々。
α7SはコントラストAFのみで「ファストインテリジェントAF」と言う名前のAFシステムを搭載。
そもそもこの機種は高感度性能に特化した機種のため、AF性能に力を入れたカメラってわけではありませんでした。
でテストしてみた結果
全く使い物にならない
と言う結果に。
電源オン後にAFは動作するものの、迷いまくってまともに合焦せず、その後シャッターボタン半押しでも全くAFが動作しないフリーズのような状態に。
電源をオフにして、再度オン後はまた動作するものの、全く同じ症状になりました。
AFエリアはマルチ、ゾーン、シングルいずれでも症状は一緒。
フォーカスモードは「AF-Sのみ使用可能」で、他のモードはグレーアウトしてそもそも選択不可。
ってなわけで、MFで使用するしかないようです。
ちなみにMC-11は電子接点付きなので、絞り値は普通に変更可能です。
なお、いずれのカメラも昼間の室内で光量十分な状態でテストを行なっています。
α6500の場合
このカメラはAPS-Cのカメラで、発売日は2016年12月2日だから、もう3年も前の機種になります。
最近α6400の発売が発表されたばかりですが、ソニーが3年も新型ミラーレス機を出さなかったってのは意外な印象ですね。
α6500のAFシステムは上の7Sと比較すると格段に向上していて、「ファストハイブリッドAF」と言うコントラストAFと位相差AFを併用するシステムに変更されています。
しかも425点の像面位相差AFセンサーと169点のコントラストAFを画面のほぼ全域に配置したり、0.05秒の高速AFだとか、動体追従性能を大幅に向上させる「高密度AF追従テクノロジー」を搭載だとかで本当に凄い進歩を遂げた機種です。
APS-Cだからフルサイズ機と一緒くたには出来ませんが、第一世代のα7から第三世代のα7IIIに当てはめて考えると、年代的には第二と第三の中間くらいに当たるのではないかと思います。
でテストしてみた結果
MF推奨
と言う結果に。
電源オン後AFは正常に動作し、フォーカスモード(マルチやシングル)に関わらず普通に合焦して暫くは正常に撮影できたものの、その後α7S同様にシャッターボタン半押しでも全くAFが動作しないフリーズのような状態に。
電源をオフにして、再度オン後はまた動作するものの、α7Sと全く同じ症状になりました。
フォーカスモードはAF-SとAF-Cが使用可能で、他のモードはグレーアウトして選択不可。
ってなわけで、残念ながらこっちもAFはまともに使えることは期待せず、MF使用推奨って結果になりました。
ちなみにタムキューは手ぶれ補正付きのレンズで、α6500はボディ内手ブレ補正内臓のカメラなのですが、両方の手ぶれ補正機能のオンオフの組み合わせをいじってみた限り、どちらも大差なく手ぶれ補正は効くのかなって印象でした。
適当な写真で失礼しますが、この写真はα6500にタムキューを装着して、手持ちで1/20のシャッタースピードですけど、普通にブレずに撮影できてます。
α6500の場合は確かレンズ側に手ぶれ補正が付いている場合は、レンズ側の補正機能が優先される形だったかな?
両方の機能が合わさってより強力に手ぶれ補正が効くってことはありません。
この写真のように電源オン後に暫くの間は普通にAFも動作してピントも合ってるんですけどねー。
ちょっといじってると残念ながらフリーズしてしまう…。
α7R IIIの場合
このカメラの発売日は2017年11月25日なので、今から1年前。
ソニーストアで予約して発売日に35万円で購入したカメラですが、今はキャッシュバックキャンペーンを利用すれば10万円以上安く買えるってのがかなりショック。
α7R IIIは名前の通り第三世代の最新型で、当然最新のAFシステムが搭載されています。
α9に搭載した新AFアルゴリズムを最適化していて、第二世代のα7R IIと比較してAF速度、精度、追随性能が飛躍的に向上していると公式サイトに書かれています。
また、α7シリーズで初めて「4Dフォーカス」に対応し、野生動物などの素早い動きも的確に捉えて離さない出そう
その他、399点像面位相差AFセンサーと425点コントラストAFだったり、従来比最大2倍に高速化したAFレスポンス、だったりしますが、あくまでもAF性能が優れなかったα7R IIとの比較となるため、α6500と比較してどのくらい良くなっているのかは微妙。
瞳AFなんかは明らかに良くなっているのは分かりますが、そもそも私は動体撮影はしないわ、今だにシングル1点で合わせるわの人なので、AF周りについての感想を聞かれてもお役に立てそうもありません。
で、一番期待しつつテストしてみた結果
おぉ!まともに動くじゃん!!
と、かなり良い感じに動作。
「普通に使えるじゃん!」と感動していたのも束の間、暫く普通に使える状態の後、コントラストが弱い被写体を撮影しようとしたら大きく迷い、そのままAF動作はするものの全く合焦しなくなり、結果的に他のカメラ同様にシャッターボタン半押しでも全くAFが動作しないフリーズのような状態に。
同様に電源オンオフで再度正常に使用できるように復帰したものの、やっぱり暫く使用し続けているとフリーズ状態になってしまいました。
やっぱりMF推奨
って結果に。
手ぶれ補正に関してはα6500のケースと同様の印象でした。
ちなみに撮影データをLightroomで読み込むと、
電子接点付きのマウントアダプターだから撮影データは表示されるんだけど、何故かレンズデータに「DT90mm F2.8 SAM」との表記が…。
調べてみると、ソニーA用のレンズのようなのですが、DT90mmなんてレンズはこの世に存在せず。
「85mm F2.8 SAM」ってのはあるからこれと間違えている?
そんなわけで、現像時もレンズプロファイルは自動で適用されませんので、
「F017E」を手動で適用してやる必要がありました。
まとめ
やはりシグマのマウントアダプターでライバル企業のタムロンのレンズを使うことは許されない話のようで、何かまともに動作させないようなシステムが組み込まれているかのごとく、突然AFが動作しなくなってしまう残念な結果に。
最新のα7R IIIでこうだから、少なくても最新型のタムキューの場合は、恐らく現状どのEマウントカメラを使ってもダメっぽい。
あ、ただα9だけはEマウントカメラの中でも突出したAF性能を誇るカメラだけに、可能性はあるのかも知れません。
あとはα9譲りのAFシステムを持つと言われているα6400も。
いずれにしてもフリーズ状態になるってのは、カメラにとってもレンズにとっても非常に良くないはずなので、故障に繋がる可能性を考えるとやめておいた方が無難っぽい。
私自身フリーズすることを確認しましたので、今後Eマウントカメラにタムキューを装着する際はMF限定で使うことにします。
α7 III でテストしてみましたが、ここに書かれているα9と似たような結果でした。
本体とMC-11のファームウェアバージョンは現時点で最新にしてあります。
AF-SとAF-Cでテストしましたが、AF-Cだとややマシな感じではありました。
参考になる情報ありがとうございます。
わたしも同じことを考えておりタムロンマクロが使いたいSONY α7ⅲユーザーです。
二つお教えいただきたいのですが
MFで撮影であっても連写は可能でしょうか?オートブラケットを普段しているのでそこが気になってます。
それと、SONY α7ⅲで使用の場合にもレンズ側の手振れ補正はやはりあった方がいいんでしょうか?ボディ側でいけてしまうのでしょうか?
すみません、お教えいただけると幸いです!
ご丁寧に有難うございます。
大変申し訳ありませんが、オートブラケットは利用したことがなく、
MFで連写は試さなかったので分かりません。
実はMC-11でこのマクロやキヤノンのEF70-300mm F4-5.6 IS II USMなんかを運用はしていたのですが、
動画撮影時のAFが動かないこともあって早い段階でMC-11ごと処分してしまい、
手振れ補正に関しても今現在手元になくて検証することが出来ません。
お役に立てずに申し訳ありません。
ソニーの手振れ補正はボディ側、レンズ側の双方に付いていても
片方のみしか動作しないシステムなのですが、
α7R IIIの場合はタムキューのレンズ側の手振れ補正が正常動作した記憶があるのですが、
これも定かではありません。
本当に何の役にも立てなくて申し訳ありません。
情報有り難うございます!
そういや書かれているようにAF-Cでも試せば良かったですね。
AF-Sでしか試しませんでした。
いずれにしてもライバル企業のレンズはまともに動作しないように
シグマが何かしら手を加えてたりするのかもですね。