キヤノンの60Dに付けっ放しになっている「EF-S60mm F2.8 マクロ USM」をソニーのカメラでも試してみたいと考えてK&F Conceptのマウントアダプターを購入してみました。
実は私はK&F Conceptのアダプターを購入するのは2回目で、1度目はX-T20に「Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.7」を装着するために富士フイルム用のアダプターを購入して使っていました。
そのためこの中華製の激安アダプターがどの程度のクオリティなのかも事前に把握済み。
激安価格の割には非常に良く出来たマウントアダプターなのですが、購入前に必ず知っておいた方が良い注意点がいくつかあるので、その注意点をまとめてみました。
特にマウントアダプター初心者の方は、K&F Conceptのマウントアダプター以外の「電子接点無しのマウントアダプター」でも同様の注意点もありますので、ご購入前に失敗しないように以下の点にご注意下さい。
目次
K&F Conceptのマウントアダプターの注意点
個体差あり
上記した通りでK&F Conceptのマウントアダプターは今回で2台目となりますが、
今回購入したマウントアダプターはカメラ側は問題ないのだけど、レンズ装着側の目印の赤いポッチの位置が結構ズレていて、目印通りレンズを装着しようとすると装着することが出来ませんでした。
Amazon購入なので初期不良対応してもらえるレベルだとは思いますが、1.5cmくらいズレちゃっているので、目安通りに装着が出来なくてかなり使いづらい。
装着感(着脱感)の方はレンズ側、カメラ側共に非常に精度が高くてガタつきが殆ど無いので、こっちはかなり良い感じでした。
前回購入したフジ用のはボディ側のみ装着した際の「カチっ」て鳴るクリック感が全く無いのが気になっただけでしたけど、今回のは書いた通りで「目印の位置ズレ」の個体でしたので、結構このマウントアダプターには様々な部分で個体差がありそうな気がします。
一番嫌と言うか使っていて気持ち悪いのは「ガタつき」だと思いますが、これに関しては私が購入した2台に関しては逆にキツイくらいで、加工精度は非常に高いと感じました。
AFは不可
このマウントアダプターは電子接点を有しませんから当然AFは動作しません。
そのためカメラに装着した際のピント合わせは手動となり、MF専用で使うことになります。
AFを使いたいならアダプターに電子接点が付いている物を買う必要があります。
なお、この点はこのメーカーのアダプターに限らず、電子接点無しのマウントアダプター全てに共通の話です。
EXIFの取得不可
全ての情報ではありませんが、撮影してきた際のEXIF情報が残りません。
そのため、Lightroomで開くとこんな感じになってしまいます。
これも電子接点無しのマウントアダプター全てに共通。
絞り(F値)が変更不可
電子接点が無いとAFが使えないのは理解している人が殆どだと思いますが、実は絞り値も変更することが出来ません。
具体的に言うと「レンズに絞りリングが無いレンズは絞り値を変更出来ない」です。
例えば富士フイルムの場合は、レンズ側に絞りリングが付いているレンズが多いので、レンズの絞りを変更すれば絞りを変えられます。
これはレンズの絞りリングを回せば、物理的に絞り羽根の開閉が出来て絞り値を変更することが可能だから。
私が持ってるヤシコンのレンズも絞りリングがあるから同様に絞り値が変更可能。
ただし、レンズに絞りリングが付いていないこのキヤノンの60mmマクロのようなレンズは、電子接点が無いマウントアダプターでは絞りが動かせません。
「じゃあどうなるの?」と言うと、絞り開放のみでしか使えません。
これも電子接点無しのマウントアダプター全てに共通。
レイクォールとの差
同じ電子接点が無いレイクォールのマウントアダプターとの価格差がびっくりするほど大きくて不思議に思われる方もいらっしゃるかも知れません。
単に「日本製」と「中国製」の差だけじゃなく、他にもちゃんと理由があって、
格安のK&F Conceptとレイクォールのマウントアダプターを並べて写真を撮ると、マウントアダプターの内側の作りにこれだけ違いがあるのが良く分かります。
要は「内面反射対策」と言うやつで、レイクォールの方にはちゃんと遮光板やフレアカッターが付けられていたりするって話で、これによってレンズ本来の性能を引き出したり、ゴーストやフレアを抑制したりする効果があるとのこと。
また精度の面でも色々と差があるとのことが書かれていますので、ご興味がある方はレイクォールの公式サイトをご覧下さい。
https://www.rayqual.com/tokuchyou.html
高いアダプターには高いなりの品質や性能の差がやはりあり、レイクォール曰く「アダプターの品質で写りは変わる」とのことです。
ただし実際写りにどの程度の差が出るものなのかは、私は同条件でテストする術がありませんので分かりません。
KF-EFEとKF-EFE2の違い
これは「キャノンEFマウントレンズ→ソニーEマウント」をご希望の方のみへのご注意点になりますが、
- KF-EFE
- KF-EFE2
今現在K&F Conceptのアダプターには実はこの2つが用意されています。
これは名前通り「KF-EFE2」の方が新型で、
- 光の乱反射を抑えるように艶消し塗装による内面反射を大幅カット
- ボディ側とレンズ側に真鍮製マウントパーツを採用、耐久性アップ
この重要な2点が改良されていますので、丁度1,000円くらい高くはなりますが、
必ずこの新型の「KF-EFE2」の方を買いましょう。
まとめ
そんなわけでK&F Conceptのマウントアダプターが激安価格なのにはちゃんと理由がありますって話でした。
特に電子接点が無いから「AFが使えない」ってのは分かっていても「絞り値も変更できない」って言うのはある程度の知識がある方や実際にこの手のマウントアダプター を使ったことがある方以外は意外と分からなかったりするのかも知れません。
それとレイクォールとの差に関しても両方手元にあって比較していたり、事前に比較検討でもしてみないとなかなか分からないでしょう。
ちなみに私が今回あえてK&F Conceptのマウントアダプターを選択した理由ですが、
- もともと60DでこのレンズはMFでしか使っていない
- フレアやゴースト大歓迎
- 用途的に絞り開放のみで十分だった
こんな感じ。
あえて高いマウントアダプターを買ってまで…って必要がなかったからです。
60D、α6500それぞれでこのレンズを使用してみて、描写にどのような違いがあるのかを試してみたいってだけだったし、このレンズは開放撮影時の柔らかい描写が好きでよく使っているから絞り開放のみでも構いませんでした。
そもそも普段ソニーのカメラで使う専用レンズは十分過ぎるほど持っていますし。
ちなみに「AF使えて絞りも変えたい」って方はやっぱり素直にシグマのMC-11を買うことをオススメします。
私も先日sd Quattroを処分するまで使っていましたが、まともに動作する(レンズによっては不可)し、定期的にファームウェアもアップデートされるし、何よりアフターがしっかりしているので、安心して長期で使うことが出来ますので。
EFレンズの絞りを開放以外で固定する裏技はあります
<EOSカメラに装着した状態で求める絞りにして、被写界深度確認ボタンを押しながらレンズを外す>
そのまま絞った状態でマウントアダプターを介し他メーカーのボディで使用できます
メタボーンは撮影中によく接点不良になり絞りがおかしくなることがあり、困った時の対処法です。
情報有難うございます。
そんな裏技があるとは…。
確かにデジカメWatchに同じ方法の記事がありました。