富士フイルムの「X-T30」を購入して約3か月が経過しました。
基本的には良いカメラだとは思っていますが、フラグシップ機の弟分で値段なりに機能や性能を省いているところもあり、かなり欠点も多いカメラなので、今回はその欠点の方をフィーチャーし、7つの不満点と言うことで書いてみたいと思います。
何だかフジユーザーって富士フイルムのカメラに心酔してしまう人が多いのか、ユーザーのブログとか見てもベタ褒めしている人ばかり目につきますから、こういう意見があっても良いのかなと。
ちなみに私のXシリーズ歴は
- X-T20
- XF10
と買ってきているので今回で3台目。
X-T20は何故か全く同じシチュエーションで数枚撮影しても3割程度の確率でピンずれを起こしてしまうAF精度の問題があり、それがレンズを交換しても再現出来てしまうから恐らくボディの初期不良くさかったので即売り。
XF10は写りが気に入らずこちらも即売りしてしまったため、正直富士フイルムのカメラに対してはあまり良い印象を持てていないと言うのが本音。
今回の三度目の正直のX-T30でフジのカメラに対するネガティブな印象を払拭できるかな?とは思いましたが・・・。
ってなわけで早速。
目次
1.グリップ酷すぎ
以前使ってたX-T20の頃から全く変わらずグリップは本当に酷いの一言。
富士フイルムの場合は軽量でコンパクトな単焦点レンズがそれなりにラインナップされているので、これらをメインで使うのであればそれほど問題にはならないのかも知れませんが、私はこの機種で動画も撮影したいということもあって
メインレンズとしてそこそこ重量と長さのある
「XF16-80mmF4 R OIS WR」を購入してつけているから尚更。
グリップのラバー素材自体は手に吸い付くような良い意味での「ベタつき」を感じて滑りにくいので、このまま単にグリップだけを深く作ってくれるだけで即改善する問題ではありますが、フジはいつまで経ってもグリップ深くする気はないようで。
デザイン的なこだわりなのか、
単に別売のMHG-XT10を買わせたい目的があるのか・・・。
って言うか、このただのグリップが定価16,000円(税別)ですからね。
X-T4でグリップが深くなったとの話が出ているので、次期X-T40ではグリップは深くなる可能性はあるのかも知れませんけど、とりあえずX-T30のグリップは相変わらず酷くてダメダメです。
2.全体的にボタンが押しづらい
ボタンのサイズ感やボタンを押した際のストロークの深さ等々、あまり深く考えずに作られているのかなという印象を持ちます。
このカメラはユーザーが意図せずQボタンを押してしまう問題が直ぐに噴出し、慌ててファームウェアのアップデートで長押ししないと動作しないように設定できるように等の修正をしたことからも分かる通りで、そもそもテストにテストを重ねて熟慮して作ったと言うよりは、最初からあまりユーザーの使いやすさを考慮してカメラを作っていない印象。
もちろんコストとの兼ね合いや、ボディサイズも考慮して作っているから仕方のない面もあるのでしょうが、それにしても他のメーカーの同じくらいのコンパクトサイズのカメラと比較しても酷いかなとは。
シャッターボタンや露出ダイヤルと干渉しやすい位置に配置しているからあえて押しにくくはしているのでしょうが、Fnボタンなんて押しづらいその最たるものだし、せっかくつけてるジョイスティックに関しても絶妙なクリック感はあるとはいえ、貧弱で小さ過ぎて操作しやすい物ではありません。
正直このジョイスティックが付属するならX-T20の時のような十字キーがついていて、フォーカスポイントの移動はドラッグAF(タッチパッドAFとも言う)のみの方が個人的には良かったかなとすら。
カメラ前面についている「フォーカスモード切換レバー」も貧弱でなんか操作しているうちに壊しそうで怖い感じ。
3.アイピースカップが浅過ぎ
これもX-T20から全く変わらず。
梱包時は外れていて、別途アイピースカップが付属しているのかと思うほど。
私は男ですがまつ毛が長い方なので、まつ毛がファインダーのガラス面に当たって汚れやすいし、ファインダー像にゴーストとか入り込みやすいし「一体この仕様は誰得なの?」と言いたい。
正直「汚れた時に清掃しやすい」くらいしか私にはメリットが思い浮かばないんだけど?
それも深く作ってりゃそもそも汚れにくいから頻繁に清掃する必要性すらないって話で。
結果的にアイピースカップは別途Amazonで売られていた中国製のやつを購入してみましたけど、やっぱ専用設計の純正の物の方が良かったようで、買い直すか検討中。
4.穴の開いた押し心地の悪いシャッターボタン
これも相変わらず。
レリーズケーブルを挿すための穴ってことでXシリーズのカメラは毎度シャッターボタンに穴が開いているのですが、今時の国内の主要カメラメーカーのどのカメラにもこんなシャッターボタンに穴開いてるカメラは無いはず。
見た目的にも不格好だし、そもそもシャッターボタン自体が小さくて押し心地が良くない。
別に穴が開いていても構わないから、純正でこの手のレリーズボタンくらい無料で付属して欲しいところ。
海外のフジユーザーとか見たって軒並みつけてる人ばっか。
だって押し心地悪いんだもん。
5.ホットシューカバーが付属してない
一眼レフなんかだと元々付属してなかったりしますが、ミラーレスの場合は付属しているケースが多いですから、これも出来ればケチらず付属しておいて欲しかったところ。
ちなみに私が現在所有しているミラーレスカメラには、もれなくどの機種にも付属しています。
X-T30を除いて。
6.SDカードが取り出しにくい
これもX-T20の時と仕様変わらず。
バッテリースロットとSDカードスロットが同室になってしまうのは小型のミラーレスカメラですからある意味仕方がないこととはいえ、
X-T30の場合はバッテリーとSDカードが並行におさまった状態となるため、SDカードの取り出し位置も相まってスゲー取り出しづらいです。
私が所有しているα6500もバッテリースロットとSDカードスロットが同室でカードがおさまる位置も同じですが、
SDカードの方はバッテリーよりもだいぶ飛び出た格好でおさまるので、カード自体は取り出しやすい。
このくらいの配慮はフジでも出来るでしょ。
7.外部マイク使用にはΦ3.5.mm変換アダプターが必須
このカメラのマイク端子はφ2.5mmなので、一般的な外部マイクを付属したい場合は
このようなφ2.5mm→3.5mm変換アダプターが必要となります。
φ2.5mmの外部マイク自体探すの難しくね?ってくらいφ3.5mmの外部マイクが一般普及しているのに、何故わざわざ2.5mmの端子をつける意味が分かりません。
まとめ
写りや機能性能等のカメラの性能以前の問題で、カメラの物理的な使いやすさに多いに問題がある印象。
正直このカメラを買う予定は全くありませんでしたので、購入前に特に情報収集していませんでしたが「X-T20から多少は使いやすくなっているのかな?」との期待はあったものの、見事に裏切られた形。
X-T20で個人的に感じた物理的なカメラとしての使いやすさ部分の不満点のほとんどが全く改善されていなかったという。
とはいえ、カメラの機能や性能に関しては概ね満足していますし、何しろ私はダブルズームレンズキットの新品未使用品を約68,000円くらいで買っていますから、不満は多々あっても今のところ手放す予定はありません。
- 画質が良い
- 値段が安い
- AF性能はビックリするほど良くなっている
- UIも分かりやすい方だと思う
- 様々な動作(処理)が高速でキビキビ動く
- 独自の液晶画面フリックで機能を呼び出せるシステム
- AEL、AFL、Fnの各ボタンを長押しするだけで割り当てたい機能を即座に切り替え
特に動作がキビキビしていて気持ち良い点に関しては、逆にいちいち動作がモッサリしているα6500(α7R IIIは高速)を使っているから尚更実感します。
性能も十分で、4K動画も綺麗な映像を撮れて、尚且つビックリするほど安く買えたわけだから、不満はあっても満足度は高く、気に入っているカメラではありますけど。
AFに関してもX-T3から裏面照射型のセンサーを搭載したこともあり、以前使用していたX-T20とは雲泥の差を実感できます。
AFは速度だけじゃなくて精度も問題なし。
まぁでもメインで使うつもりならやっぱりX-T3や今度出るX-T4のような一桁数字の機種を絶対買うべきで、X-T20やX-T30はストレス溜まるから買わない方が良いかもとは。
X-T3と比較してX-T30が優れている点は「値段」と「サイズ感」ってところだけだし
そのサイズ感も「握りづらさ」に耐えきれず別売のグリップとか買っちゃったら大きく損なわれるわけで、フジのカメラをメインにして日々ガンガン使い倒したいと考えるなら、いくら安くてもXシリーズの二桁機はやめた方が無難かなと。
軽くてコンパクトな単焦点レンズのみ使いたいならまだしも、私が使っている「XF16-80mmF4 R OIS WR」とか常用したいと考えるなら尚更。
とりあえずX-T40出す時はここら辺のカメラとしての物理的な使いやすさをもっとブラッシュアップして欲しいと思いますけど・・・。
他社だと、同じくAPS-Cセンサーを搭載してコンパクトなサイズ感に抑えて作られている
ニコンのZ50はキットレンズの描写性能の高さもあるのでしょうが、何よりも使いやすさが評価を受けての好評なわけで、コンパクトなサイズのカメラでも使いやすいカメラは作れるのですから、富士フイルムにももっと頑張って欲しいと思います。
とりあえず真っ先に変更する部分はグリップ感ね。
グリップ深くして握りやすく&持ちやすくするだけで全然印象違ってくるから。
次期X-S10でかなりのテコ入れが
2020年10月16日にこのX-T30の後継機種に当たるX-S10が発表されました。
- グリップが深くなった
- シャッターボタンの穴がなくなった
富士フイルムが用意している実機の写真を見ただけですが、とりあえずこの2点は改善されているようです。
まぁこんなのさっさと変更して当たり前の話で、むしろ何で今まで頑なに拒んできたのか個人的には理解不能ですけど。
ちなみにアイピースはまだ同じのついてる感じでガッカリ。
ただ、性能・機能は素晴らしく、これで実売12万円くらいとバーゲンセール。
昨今様々なメーカーからフルサイズミラーレスカメラが発売されていますが、どれもこれもバカ高いので、そんなの買うなら個人的にはX-S10にちょっと良い単焦点レンズ(フジのは安いし)でも買った方が幸せになれると思います。
個人的な見解としては、X-T30はメイン機としては役不足で無理でしたけど、次期X-S10はメイン機としても十分なカメラに仕上がってる印象(スペックシート上の印象ですが)を持ちました。